Gitの初期設定 — user.nameとSSH鍵のセットアップ
Gitをインストールしたあと、コミットやGitHubとの連携をする前に必ず済ませておくべき初期設定があります。この章では、最初の1回だけやればOKな設定をまとめて終わらせます。
Gitがインストールされているか確認する
まずは自分のPCにGitが入っているかを確認しましょう。
git --version
# git version 2.43.0 のように表示されればOKインストールされていない場合は、以下から入手します。
- macOS —
brew install git(Homebrew) - Windows — Git for Windows をダウンロード
- Linux —
sudo apt install git(Ubuntu/Debian系)
user.name と user.email を設定する
Gitのコミットには必ず「誰がコミットしたか」の情報が記録されます。この情報をまず設定します。
git config --global user.name "Taro Yamada"
git config --global user.email "taro@example.com"--global は「このPC全体の設定」という意味です。プロジェクトごとに個別の設定をしたい場合は --global を外してリポジトリ内で実行します(例: 業務用のメールアドレスを特定のプロジェクトだけで使うケースなど)。
設定内容を確認するには以下のコマンドを使います。
git config --global --list
# user.name=Taro Yamada
# user.email=taro@example.comここで設定したメールアドレスが公開リポジトリのコミット履歴に残る点に注意してください。個人用のメールアドレスを公開したくない場合は、GitHubが提供する noreply メールアドレスを使う方法があります。
git config --global user.email "12345678+username@users.noreply.github.com"この形式のメールアドレスはGitHubの Settings → Emails で確認できます。
デフォルトブランチ名を設定する
新しくリポジトリを作ったときの初期ブランチ名は、以前は master が標準でしたが、現在は main が一般的です。以下のコマンドで明示的に main を初期ブランチ名にします。
git config --global init.defaultBranch mainこれを設定しておかないと、git init したときに警告が出たり、古い名前の master ブランチで初期化されたりして、GitHubでのデフォルトブランチ(main)とズレて混乱します。
エディタの設定
コミットメッセージを書くときに起動されるエディタを指定できます。デフォルトだと vim が立ち上がることが多く、使い慣れていないと戸惑います。
# VS Code を使う場合
git config --global core.editor "code --wait"
# nano を使う場合
git config --global core.editor "nano"code --wait は「VS Codeが閉じるまで待つ」という意味で、これを付けないとGitがエディタ終了を認識できません。
SSH鍵を生成する
GitHubとの通信方式には HTTPS と SSH の2種類がありますが、実務では SSH を使うのが一般的です。毎回パスワードを入力する必要がなく、2要素認証にも強いためです。
まず、既存のSSH鍵があるか確認します。
ls -la ~/.ssh
# id_ed25519, id_ed25519.pub などがあれば既に鍵があるなければ新しく生成します。現在推奨されているのは ed25519 という方式です。
ssh-keygen -t ed25519 -C "taro@example.com"対話的に以下を聞かれます。
- Enter file in which to save the key — そのままEnter(デフォルトの場所に保存)
- Enter passphrase — パスフレーズ。空でもOKだが、セキュリティを上げるなら設定を推奨
生成されると ~/.ssh/id_ed25519(秘密鍵)と ~/.ssh/id_ed25519.pub(公開鍵)の2つのファイルができます。
重要 —
秘密鍵(id_ed25519)は絶対に他人に見せない、共有しない、リポジトリにコミットしない
公開鍵(id_ed25519.pub)のほうは公開してOK
GitHubに公開鍵を登録する
生成した公開鍵をGitHubに登録します。公開鍵の中身を表示してコピーしてください。
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
# ssh-ed25519 AAAAC3... taro@example.comGitHubの SSH and GPG keys ページを開き、New SSH key をクリック。
- Title — 分かりやすい名前(例:
MacBook Pro 2024) - Key type —
Authentication Key - Key — 先ほどコピーした公開鍵を貼り付け
登録できたら、接続テストをします。
ssh -T git@github.com
# Hi username! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.この Hi username! のメッセージが出れば成功です。
全体の流れ
ここまでの手順を整理すると以下のようになります。
この流れを一度済ませれば、同じPCでは以後やり直す必要はありません。新しいPCに移行したときや、OSを再インストールしたときだけまた必要になります。
よくあるハマりどころ
1. Permission denied (publickey) エラー
SSH鍵は生成したが、GitHubに公開鍵を登録していない、または間違った鍵を登録した場合に出ます。cat ~/.ssh/id_ed25519.pub の内容が、GitHub側に登録したものと一致するか確認してください。
2. コミットの名前が違う
git config --global user.name を設定する前にコミットしてしまった場合、設定変更後も過去のコミットの名前は書き換わりません。過去のコミットの作者情報を修正するには git rebase や git filter-branch を使う必要がありますが、通常は「これから先のコミットを正しくする」だけで問題ありません。
3. 複数のGitHubアカウントを使い分けたい
仕事用と個人用でアカウントを切り替えたい場合は、~/.ssh/config でホスト別に鍵を指定する方法があります。これは後の章のトピックを超えるので、必要になったら別途調べてください(キーワード: ssh config Host github.com-work)。
ちゃんと使うためのポイント
user.nameとuser.emailは最初に必ず設定する- 初期ブランチ名は
mainにしておく - GitHubとの通信は SSH を使う(パスワード入力が不要で安全)
- 秘密鍵は絶対に公開しない、リポジトリにコミットしない
ssh -T git@github.comで接続テストができる
次の章では、実際にリポジトリを作って add → commit → push という Gitの最も基本的なフローを体験します。