DNS・ドメイン・ネームサーバー — 名前解決の仕組み
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DNSは、example.com のような人間向けの名前を、通信に必要なIPアドレスへ変換する仕組みです。
ドメイン設定でつまずく原因の多くは、ドメイン、DNSレコード、ネームサーバー、レジストラ、DNSホスティング を同じものとして扱ってしまうことです。この章では、それぞれの役割を分けて整理します。
学習者ドメインを買ったサービスと、DNSレコードを設定する画面が違うことがあります。ネームサーバーって何をしているんですか?
ドメインとDNSは別物
ドメイン は example.com のような名前です。
DNS は、その名前をIPアドレスなどの情報へ変換する仕組みです。
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| ドメイン | 人間が扱いやすい名前 |
| レジストラ | ドメインを取得・更新する事業者 |
| DNSホスティング | DNSレコードを管理するサービス |
| ネームサーバー | そのドメインのDNS情報を答えるサーバー |
| DNSレコード | A, CNAME, MX などの具体的な設定 |
ドメインを取得しただけでは、どのサーバーへ向けるかは決まりません。ドメインに対してDNSレコードを設定して、初めてWebサーバーやメールサーバーへ向きます。
名前解決の流れ
www.example.com のIPアドレスを調べるとき、DNSは階層構造をたどります。
ここで重要なのが 再帰DNSリゾルバ と 権威DNS の違いです。
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 再帰DNSリゾルバ | クライアントの代わりにDNS階層をたどって答えを探す | ISPのDNS、Google Public DNS、Cloudflare DNS |
| 権威DNS | そのドメインの正式なDNSレコードを持つ | Route 53、Cloudflare DNS、レジストラ付属DNS |
ネームサーバーとは
ネームサーバーは、このドメインのDNSレコードはどのDNSサーバーに聞けばよいか を示します。
例えば、レジストラの管理画面で次のように設定します。
example.com のネームサーバー:
ns1.example-dns.com
ns2.example-dns.comこれは「example.com のAレコードやMXレコードを知りたければ、このネームサーバーに聞いてください」という委任です。
よく使うDNSレコード
| レコード | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| A | ホスト名をIPv4アドレスへ向ける | example.com → 203.0.113.10 |
| AAAA | ホスト名をIPv6アドレスへ向ける | example.com → 2001:db8::1 |
| CNAME | 別のホスト名の別名にする | www → example.com |
| NS | 権威ネームサーバーを示す | ns1.example-dns.com |
| MX | メール配送先を示す | mail.example.com |
| TXT | 任意のテキスト情報を置く | SPF, DKIM, 所有確認 |
Webサイト公開で最もよく使うのは A、AAAA、CNAME です。メールやドメイン所有確認では MX、TXT がよく出てきます。

AレコードとCNAMEの使い分け
Aレコード は名前をIPアドレスに直接向けます。
example.com A 203.0.113.10CNAME は名前を別の名前に向けます。
www.example.com CNAME example.comクラウドサービスやCDNでは「このCNAMEを設定してください」と案内されることがよくあります。サービス側でIPアドレスが変わっても、利用者側のCNAMEは変えずに済むためです。
TTLとDNSキャッシュ
DNSレコードには TTL (Time to Live) というキャッシュの有効期限があります。
example.com A 203.0.113.10 TTL 3600これは「この結果を3600秒キャッシュしてよい」という意味です。TTLが長いとDNS問い合わせが減って効率的ですが、サーバー移行時には古いIPが残りやすくなります。
digとnslookupで確認する
DNSの確認には dig や nslookup を使います。
# Aレコードを見る
dig example.com A
# ネームサーバーを見る
dig example.com NS
# 特定のDNSサーバーへ問い合わせる
dig @8.8.8.8 example.com A
# nslookupでも確認できる
nslookup example.com「自分のPCでは古いIP、別のDNSでは新しいIP」という場合は、DNSキャッシュやTTLが関係している可能性があります。
ちゃんと使うためのポイント
- ドメインは名前、DNSは名前を情報へ変換する仕組み
- ネームサーバーは「そのドメインの正式なDNS設定を持つサーバー」
- 再帰DNSは利用者側、権威DNSはドメイン管理側の役割
- A/AAAAはIPへ、CNAMEは別名へ、MXはメールへ、TXTは検証情報などへ使う
- DNS変更がすぐ反映されない主因はTTLとキャッシュ
次の章では、IPの上で通信の届け方を決める TCP/UDPとポート を扱います。
