IPアドレスとルーティング — ネットワーク上の住所と経路
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IPアドレスは、ネットワーク上の相手を指すための 論理的な住所 です。ブラウザがDNSでIPアドレスを得たあと、実際の通信はこのIPアドレスを宛先にして進みます。
この章では、Web開発者がインフラやDocker、クラウド設定で迷いやすい IPアドレス、サブネット、ルーティング、NAT を整理します。
学習者127.0.0.1、localhost、0.0.0.0、192.168.x.x が全部出てきて、どれが何なのか混乱します。
IPアドレスとは
IPアドレスはネットワーク上の機器を識別する住所です。代表的には IPv4 と IPv6 があります。
IPv4: 192.168.1.100
IPv6: 2001:db8:85a3::8a2e:370:7334IPv4は約43億個しかなく、現在のインターネット全体には足りません。そのため、家庭や会社の中では プライベートIP を使い、インターネットに出るときに NAT でグローバルIPへ変換する構成が一般的です。
グローバルIPとプライベートIP
| 種類 | 例 | 使われる場所 |
|---|---|---|
| グローバルIP | 203.0.113.10 | インターネット上で一意な住所 |
| プライベートIP | 192.168.1.10 | 家庭内LAN、社内LAN、Dockerネットワークなど |
| ループバック | 127.0.0.1 | 自分自身を指す |
プライベートIPとしてよく使われる範囲は次の3つです。
10.0.0.0/8
172.16.0.0/12
192.168.0.0/16127.0.0.1 は 自分自身 です。自分のPCで起動したサーバーへアクセスするために http://127.0.0.1:3000 や http://localhost:3000 を使います。
先生ここは実務で混乱しやすいポイント。Docker、AWS、ローカル開発で「どのIPを指定すればいいか」に迷ったら、この表に戻って確認しよう。
MACアドレスとの違い
IPアドレスはネットワーク上の論理的な住所ですが、MACアドレスはネットワーク機器に紐づく物理的な識別子です。
| IPアドレス | MACアドレス | |
|---|---|---|
| 役割 | ネットワーク上の論理アドレス | 同一LAN内の物理アドレス |
| 変化 | 接続先ネットワークで変わる | 原則として機器に固定 |
| 使う範囲 | ネットワークをまたいだ通信 | 同一ネットワーク内の配送 |
インターネット上ではIPアドレスで宛先を決めますが、同じLAN内で最後にどの機器へ届けるかにはMACアドレスが使われます。この対応を調べる仕組みが ARP です。
サブネットとCIDR
IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部に分かれます。この境界を表すのが サブネットマスク や CIDR です。
192.168.1.0/24/24 は、先頭24ビットがネットワーク部であることを表します。この場合、同じネットワークに属する代表的な範囲は次のようになります。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ネットワークアドレス | 192.168.1.0 |
| 利用できるホスト | 192.168.1.1 から 192.168.1.254 |
| ブロードキャストアドレス | 192.168.1.255 |
クラウドのVPC、サブネット、セキュリティグループを扱うときも、このCIDR表記が出てきます。
デフォルトゲートウェイとルーティング
自分と同じネットワークにいる相手なら直接届けられます。しかし、別ネットワークの相手へ送る場合は、まず デフォルトゲートウェイ に渡します。
ルーターは「この宛先IPなら次にどこへ渡すか」という ルーティングテーブル に従ってパケットを転送します。インターネットは巨大なルーターの連鎖です。
NATとポートフォワーディング
家庭や会社の中では複数の端末がプライベートIPを持ちますが、インターネットへ出るときはルーターのグローバルIPを共有することが多いです。この変換が NAT です。
PC: 192.168.1.10:53000
→ NAT
Router: 203.0.113.10:62001
→ Internet外から家庭内や社内のサーバーへアクセスさせたい場合は、ルーターに ポートフォワーディング を設定して「外部のこのポートへ来た通信を内部のこの端末へ転送する」と指定します。

ちゃんと使うためのポイント
- IPアドレスはネットワーク上の論理的な住所
127.0.0.1は自分自身、0.0.0.0はサーバーが全インターフェースで待ち受ける指定- プライベートIPはそのままインターネットから到達できない
- 別ネットワークへの通信はデフォルトゲートウェイへ渡される
- NATはプライベートIPとグローバルIPを変換する仕組み
次の章では、example.com のような名前をIPアドレスに変換する DNS・ドメイン・ネームサーバー を扱います。
