ウェブエンジニア問題集
第1章

SAA-C03の全体像 — 試験範囲をAWS設計の地図として読む

12
この章の目次開く
学習計画を整理する人のイラスト

AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA-C03) は、AWSサービス名を暗記する試験ではありません。問われるのは、要件を読んで「どのAWSサービスを、どの構成で使うべきか」を判断する力です。

この本では、公式試験ガイドの出題範囲に沿って、合格に必要な知識を実務の設計判断に接続して整理します。

学習者学習者

AWSのサービスが多すぎて、どこから覚えればいいのかわかりません。

先生先生

サービス単体ではなく、「安全にする」「落ちにくくする」「速くする」「安くする」という設計目的で分類すると理解しやすくなります。


SAA-C03の「C03」とは何か

SAA-C03 は、AWS Certified Solutions Architect - Associate 試験の試験コードです。

部分意味
SAASolutions Architect - Associate
C03この試験のバージョン

AWS認定試験は、AWSサービスの変化や実務で求められる設計スキルに合わせて、定期的に出題範囲が更新されます。以前の教材で SAA-C02 のような表記を見ることがありますが、これは前のバージョンの試験です。

バージョンが変わると、試験の大きな目的が急に別物になるというより、AWSサービスの現在の使われ方に合わせて、問われるサービス、設計パターン、重み付けが更新されます。たとえば、セキュリティ、耐障害性、パフォーマンス、コスト最適化という設計軸は継続して重要ですが、その中でどのAWSサービスをどう選ぶかは試験バージョンによって変わります。

この本では、C03 の出題範囲に沿って、IAM、VPC、S3、EC2、RDS、DynamoDB、CloudFront、SQS、SNS、KMSなどを「試験で問われる判断」と「実務で使う設計判断」の両方から扱います。


SAA-C03の4分野

SAA-C03の出題範囲は次の4分野です。配点は SAA-C03 試験ガイド に記載されている重みです。

学習者学習者

4分野あると、どこから手をつけていいか迷います。

先生先生

配点が大きいセキュリティと可用性だけで56%を占めます。まず守る、次に落ちにくくする、そのうえで速く安くする、という順番で進めると効率的です。

セキュアなアーキテクチャの設計(30%)

IAM、VPC、暗号化、監査、脅威対策を中心に、AWSリソースへのアクセス制御とデータ保護を設計します。

弾力性に優れたアーキテクチャの設計(26%)

Auto Scaling、ELB、Multi-AZ、疎結合、DRを中心に、障害に強くスケーラブルな構成を設計します。

高パフォーマンスなアーキテクチャの設計(24%)

ストレージ、コンピューティング、データベース、ネットワーク、データ分析の各レイヤーで最適なサービスを選択します。

コストを最適化したアーキテクチャの設計(20%)

購入方式、ストレージクラス、マネージドサービス、データ転送コストを軸に最適化します。

横断的な運用とInfrastructure as Code

試験の4分野をまたいで、AWS構成を再現可能にし、変更を追跡する設計も重要です。


サービス名より判断軸を覚える

情報を調べている人のイラスト

試験問題は、たとえば次のような形で出ます。

  • インターネットから直接アクセスさせたくない
  • 複数AZで障害に耐えたい
  • 読み取りが多いのでキャッシュしたい
  • 低頻度アクセスのデータを安く保存したい
  • 管理負荷を下げたい

このとき、単に EC2S3 を覚えているだけでは解けません。どの要件なら ALBAuto ScalingRDS Multi-AZDynamoDBCloudFrontSQSS3 Lifecycle が候補になるのかを判断する必要があります。

学習者学習者

サービスの機能をひとつずつ覚えるのは大変そうですが、全部必要ですか?


実務での読み替え

設計レビューをしている人のイラスト

SAA-C03の問題文は、実務の設計レビューに近いです。

問題文の表現実務での意味
高可用性が必要単一AZ、単一インスタンス、単一DBを避ける
運用負荷を下げたいマネージドサービスを優先する
疎結合にしたいSQS、SNS、EventBridgeで直接依存を減らす
コスト効率が重要利用パターンに合わせて購入方式・ストレージクラスを選ぶ
セキュアにしたい最小権限、暗号化、閉域化、監査を組み合わせる

実務でAWSを扱うときも、最初からサービスを決めるのではなく、要件、制約、リスク、運用体制を見て構成を選びます。

先生先生

試験の選択肢を迷ったときも、この「実務ならどう判断するか」の視点で消去法を使うと正答にたどり着きやすくなります。


まとめ

SAA-C03は、AWSの主要サービスを「設計目的」から選ぶ試験です。

  • セキュリティは IAM、VPC、KMS、WAF、CloudTrail などで設計する
  • 可用性は Multi-AZ、Auto Scaling、ELB、SQS などで設計する
  • パフォーマンスはストレージ、コンピューティング、DB、ネットワークの選択で決まる
  • コストは購入方式、マネージドサービス、データ転送、保存期間で最適化する

次の章では、最も配点が高いセキュリティ分野の入口として、IAMと最小権限を扱います。

AWSクイズに挑戦するこの章で学んだAWSの知識を、4択クイズでアウトプットして定着させよう