AZ-900の全体像 — 出題範囲をAzure学習の地図として読む
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AZ-900 (Microsoft Azure Fundamentals) は、Microsoftのクラウドサービス「Azure」の基礎知識を証明する入門資格です。IT未経験者や営業・企画職でも受験でき、Azure関連資格の最初の一歩として位置づけられています。
この章では、試験の全体像と出題分野を確認し、「この本のどの章が試験のどこに対応するのか」という学習の地図を手に入れます。
学習者AWSの資格は聞いたことあるけど、AZ-900ってどんな試験なんだろう?エンジニアじゃなくても受かるのかな…
先生AZ-900は「クラウドとAzureの基礎を説明できるか」を問う試験で、実装スキルは要求されません。出題範囲が公式に公開されているので、地図を持って進めば最短ルートで合格できますよ。
AZ-900とはどんな試験か

AZ-900は、Microsoft認定資格の中で最も基礎的な Fundamentals(基礎)レベル に属する試験です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Microsoft Certified: Azure Fundamentals |
| 対象者 | クラウドを初めて学ぶ人、Azureに関わるすべての職種 |
| 前提条件 | なし(実務経験不要) |
| 合格ライン | 1000点満点中 700点 |
| 試験時間 | 45分程度(問題数は40問前後で変動あり) |
| 受験方法 | テストセンターまたは自宅からのオンライン受験 |
| 有効期限 | なし(Fundamentals資格は失効しない) |
ポイントは2つあります。
1. 実装ではなく「説明できること」が問われる — 「仮想マシンを構築せよ」ではなく「仮想マシンとコンテナーの違いを説明できるか」が問われます。ハンズオン経験がなくても、概念を正しく理解していれば合格できます。
2. 資格に有効期限がない — 上位資格(AZ-104など)は毎年更新が必要ですが、Fundamentalsレベルは一度取れば失効しません。
3つの出題分野と配点
AZ-900の出題範囲は、Microsoftの公式学習ガイドで3分野に整理されています。配点比率も公開されています。
| 出題分野 | 配点 | 内容 |
|---|---|---|
| クラウドの概念 | 25〜30% | クラウドの定義、共同責任モデル、IaaS/PaaS/SaaS、クラウドの利点 |
| Azureのアーキテクチャとサービス | 35〜40% | リージョン、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、ID・セキュリティ |
| Azureの管理とガバナンス | 30〜35% | コスト管理、Azure Policy、管理ツール、監視ツール |
注目すべきは、「クラウドの概念」だけで4分の1以上を占める ことです。この分野はAzure固有の知識ではなく、AWSやGoogle Cloudにも共通するクラウド一般の考え方なので、ここを最初に固めると残りの学習がスムーズになります。
学習者Azureのサービス名を暗記する試験かと思ってたけど、3割近くは「クラウドとは何か」の話なんだね。
先生そうなんです。だからこの本も、いきなりAzureのサービスには入らず、まずクラウドの概念から始めます。概念が腑に落ちていれば、サービス名は「概念の具体例」として自然に覚えられますよ。
この本と出題分野の対応マップ
この本の章構成は、公式学習ガイドの分野にそのまま対応しています。
| 出題分野 | この本の章 |
|---|---|
| クラウドの概念 (25〜30%) | 第2章 クラウドコンピューティングとは / 第3章 クラウドを使う利点 / 第4章 IaaS・PaaS・SaaS |
| アーキテクチャとサービス (35〜40%) | 第5章 コアアーキテクチャ / 第6章 コンピューティング / 第7章 ネットワーク / 第8章 ストレージ / 第9章 ID・アクセス / 第10章 セキュリティ |
| 管理とガバナンス (30〜35%) | 第11章 コスト管理 / 第12章 ガバナンス / 第13章 管理・デプロイツール / 第14章 監視ツール |
「どの章がどれくらい試験に出るのか」を意識しながら読み進めると、力の入れどころがわかります。配点の大きい第5〜10章(アーキテクチャとサービス)がこの本の中核です。
学習の進め方 — 3ステップ

AZ-900の標準的な学習フローは次の3ステップです。学習期間の目安は、IT経験者で1〜2週間、未経験者で3〜4週間程度です。
ステップ1: 概念をインプットする(この本)
まず全章を通読して、クラウドとAzureの全体像をつかみます。この段階では細かい暗記より「なぜそうなっているのか」の理解を優先してください。
ステップ2: 手を動かして確かめる(任意)
Azureには 無料アカウント(一定期間のクレジットと常時無料枠)があります。ポータルにログインしてリソースグループや仮想マシンの画面を眺めるだけでも、用語が急に立体的になります。
本書では、手を動かせる章の末尾に 「ポータルで試してみよう」 コーナーを用意しています。無料アカウントを作ったら、読みながらぜひ実際の画面で確かめてみてください(課金が発生しうる操作にはその都度注意書きを入れています)。
ステップ3: 問題演習で仕上げる
Microsoft公式の 無料練習問題(Practice Assessment) が公開されています。本番と同じ形式で弱点を洗い出し、間違えた分野の章を読み直すサイクルを回します。
AZ-900のその先 — 資格のステップアップパス
AZ-900は「出発点」の資格です。合格後は、職種に応じて上位資格に進めます。
- インフラ運用に進むなら AZ-104 (Azure Administrator)
- 開発者なら AZ-204 (Azure Developer)
- 設計者を目指すなら AZ-305 (Solutions Architect) — AZ-104かAZ-204の合格が前提
- 横に広げるなら SC-900(セキュリティ)、DP-900(データ)、AI-900(AI)などの他のFundamentals資格
AZ-900で学ぶ内容は、これらすべての土台になります。
まとめ
- AZ-900は 前提条件なし・有効期限なし のAzure入門資格で、実装ではなく「説明できること」が問われる
- 出題は クラウドの概念 (25〜30%) / アーキテクチャとサービス (35〜40%) / 管理とガバナンス (30〜35%) の3分野
- 配点の最も大きい「アーキテクチャとサービス」がこの本の第5〜10章に対応する
- 学習は インプット → ポータルで確認 → 公式練習問題 の3ステップ
- 合格後はAZ-104(管理者)やAZ-204(開発者)へステップアップできる
次の章では、出題の4分の1以上を占める「クラウドの概念」の核心、クラウドコンピューティングとは何か を掘り下げます。