Azureの監視ツール — Azure Monitor・Advisor・Service Healthの使い分け
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最終章のテーマは 監視 です。環境を作って動かしたら、次は「ちゃんと動いているか」「もっと良くできないか」「Azure側に障害はないか」を見守る番です。
AZ-900で問われる監視ツールは3つ。Azure Advisor(助言)、Azure Service Health(Azure側の健康状態)、Azure Monitor(自分のリソースの監視)です。名前が似ていて混同しやすいので、「何を見張るのか」 で区別するのがコツです。
学習者MonitorとかAdvisorとかHealthとか…どれも「監視っぽい名前」で、正直どれが何を見てるのか区別がつかない…
先生一言ずつで整理しましょう。Advisorは「あなたの構成への助言」、Service Healthは「Azure側の障害情報」、Monitorは「あなたのリソースの生データ」。見ている対象がそれぞれ違うんです。順番に見ていきます。
Azure Advisor — 構成への「助言」をくれる
Azure Advisorは、利用中のリソース構成を分析して、ベストプラクティスに基づく改善提案をしてくれる無料のサービス です。人間のコンサルタントのように、5つの観点で助言をくれます。
| カテゴリ | 助言の例 |
|---|---|
| コスト | 「このVMは使用率が低いので、サイズ縮小か削除を検討してください」 |
| セキュリティ | 「MFAが無効なアカウントがあります」 |
| 信頼性 | 「このVMは冗長構成がなく、障害時に停止します」 |
| パフォーマンス | 「このDBはスペック不足の兆候があります」 |
| オペレーショナルエクセレンス | 「サブスクリプションにサービス制限の余裕がありません」 |
ポイントは、Advisorは 「あなたの使い方」への提案 だということです。何も設定しなくても自動で分析され、ポータルでいつでも確認できます。
Azure Service Health — 「Azure側」の健康状態を知る

アプリの調子が悪いとき、原因が自分側とは限りません。Azureのリージョン自体に障害が起きている 可能性もあります。それを知るのが Azure Service Health です。
Service Healthは3種類の情報を提供します。
- サービスの問題(Service issues) — 今まさに起きているAzure側の障害。自分が使うリージョン・サービスに影響があるかを表示
- 計画メンテナンス(Planned maintenance) — 今後予定されているメンテナンスの事前通知
- 正常性の勧告(Health advisories) — サービスの仕様変更・廃止予定など、対応が必要になるお知らせ
自分の使っているサービスに影響が出たときに メール等で通知するアラート も設定できます。「障害が起きてから慌ててTwitterを検索する」のではなく、公式情報が向こうから届く状態を作れるわけです。
学習者なるほど、「うちのアプリが遅いのは自分のせいか、Azureのせいか」をまず切り分けるためのサービスなんだね。
Azure Monitor — 自分のリソースの生データを集める
3つ目の Azure Monitor が、監視の本丸です。自分のリソースとアプリからテレメトリー(計測データ)を収集・分析・可視化し、必要ならアクションにつなげる 統合監視プラットフォームです。
扱うデータは大きく2種類あります。
- メトリック — CPU使用率のような 数値の時系列データ。軽量でリアルタイム性が高い
- ログ — イベントの記録(誰が何をしたか、エラーの詳細など)。テキスト中心の詳細データ
Azure Monitorファミリーの3つの道具
| 道具 | 役割 |
|---|---|
| Log Analytics | 集めたログを クエリ言語(KQL)で検索・分析 するツール。「先週のエラーログをサーバー別に集計」のような調査ができる |
| Azure Monitorアラート | 「CPUが90%を超えたら通知」「エラーが急増したら自動でスケールアウト」のように、しきい値ベースで通知・アクション を起こす |
| Application Insights | アプリケーション性能監視(APM)。ページの応答時間、リクエストの失敗率、ユーザーの利用状況などアプリ視点の監視に特化 |
「Monitorが土台、Log Analyticsはログ分析の道具、Application Insightsはアプリ特化の拡張、アラートは出口」という関係で覚えましょう。
3つのツールの使い分け — 最後の整理
| 知りたいこと | 使うツール |
|---|---|
| 構成をもっと安く・安全に・速くするには? | Azure Advisor |
| Azure側で障害やメンテナンスの予定はある? | Azure Service Health |
| うちのVMのCPU使用率は?エラーログは? | Azure Monitor (+ Log Analytics) |
| アプリの応答時間やリクエスト失敗率は? | Application Insights |
| 異常が起きたら自動で知らせてほしい | Azure Monitorアラート / Service Healthアラート |
先生これで全14章、AZ-900の出題範囲をひととおり歩き切りました。あとは仕上げです。Microsoft公式の無料練習問題(Practice Assessment)を解いて、間違えた分野の章に戻る——このサイクルを2〜3周すれば、合格ラインの700点は十分に見えてきますよ。
ポータルで試してみよう — AdvisorとService Healthを覗く
監視ツールはどちらも無料で確認できます。3ツールの「見る対象の違い」を実際の画面で締めくくりましょう。
- ポータル上部の検索ボックスに「Advisor」と入力して選択する
- 概要ページに 5つのカテゴリ(コスト・セキュリティ・信頼性・オペレーショナルエクセレンス・パフォーマンス)のスコアと推奨事項が並ぶ。学習用アカウントでも「MFAを有効にすべき」などの推奨が出ていることが多い
- 次に検索ボックスで「Service Health」を開く
- 「サービスの問題」 に現在のAzure側の障害が(何もなければ空欄)、「計画メンテナンス」 に今後の予定が表示される
- 余裕があれば「Monitor」も開き、「メトリック」 でリソース(第5章のリソースグループ内に何か作っていれば)のグラフを描画してみる
「Advisorは自分の構成への助言、Service HealthはAzure側の状態」という違いが、画面を並べると一目瞭然です。
まとめ
- 監視3ツールは見る対象で区別する: Advisor=構成への助言 / Service Health=Azure側の障害 / Monitor=自分のリソースのデータ
- Advisor はコスト・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス・オペレーショナルエクセレンスの5カテゴリで推奨を提示
- Service Health はサービスの問題・計画メンテナンス・正常性の勧告の3種類を通知
- Azure Monitor はメトリックとログを収集し、Log Analytics(ログ分析)・Application Insights(アプリ監視)・アラート(通知と自動対応)につなげる
これで本書は完結です。総仕上げとして第1章の学習ロードマップに戻り、公式練習問題で腕試しをしてみてください。合格を応援しています!